こんばんは。
先日のとあるギターレッスンの1コマでJohn Coltraneの「Someday My Prince Will Come」のアナライズをしました。
生徒のKさんのアドバイスになればと思うで本日はアナライズについて少し綴ってみようと思います。
時代背景とプレイスタイルの考慮
まずトランスクライブする前の下準備として基本的なアーティストの情報や音源の情報を収集します。
例えば先日KさんとのレッスンにてアナライズしていったJohn Coltraneによる「Someday My Prince Will Come」のアドリブ演奏を例にすると、まず録音盤はMiles Davisの1961年12月にリリースされた同名タイトルのアルバム「Someday My Prince Will Come」の中にて演奏されたものです。
録音は1961年の6月頃だった気がします。
録音盤にはテナーにHank Mobley、ピアノにWynton Kelly、ベースはPaul Chambers、ドラムにJimmy Cobbが参加しており、1959年にリリースとなった歴史的大名盤である「Kind of Blue」の黄金期の第1期メンバーとは編成が異なります。
Miles Davisの「Someday My Prince Will Come」は「Kind of Blue」以後、グループを去ったJohn Coltraneが2曲だけ出戻りした形となった作品となり、そういったシチュエーション下でJohn Coltraneは演奏をしているということをリサーチすると良いと思います。
さらにJohn Coltraneは1961年に所属レコード会社をAtlanticからImpulseへ移籍した時代で、Atlantic時代に培ったポリフォニック(重層和音的)なアプローチをさらに推し進めていった時期でもあります。
(*ポリフォニックなサウンドの追求は後に高次元なフリージャズへと昇華されます)
ざっくりですがコルトレーンの活動中期を振り返ってみました。
ということで、まず大切なのがトランスクライブするミュージシャンのリサーチをするということです。
採譜する音は一言一句間違いなくが基本
耳コピをして採譜に取り組む際は再生スピードを下げつつピッチを保ってくれるシークエンスソフトやアプリがiPhoneをはじめとするデバイスの普及によりかなり増えたので、マストで利用しましょう。
ちなみに私の場合は「mimi copy」というアプリを長年利用してます。
そして欲をいえばデジタルな採譜を可能とするソフトウェアの利用もオススメしたいです。
Guitar Proは採譜した音をそのままオーディオファイルで掻き出してくれるので実際の録音と重ねて確認されるのも良いと思います。
Youtubeにアップしている採譜動画のようなイメージですかね。
個人的にはここまでやって初めて納得のいくアナライズのソースとなるのでテクノロジーを使いまくりではありますが、確実に採譜できますし耳もよくなるのでめちゃくちゃオススメです。
アナライズは必要以上に細かく
ここでやっとこさ採譜した楽譜を分析していくのですが、アナライズはとことん細かくが基本です。
「ここからここまでオルタードで」といったかなり抽象的な想定によるアナライズは問題外です。
必ずアンカーとなる和音が存在するのでそれを見極めることが大切ですね。そうしないとアーティストのアイデアを持ち帰って自分のものにするのは不可能でしょう。(リックに似た短期記憶的なものとなる傾向があります)
現在更新中のジャズギター ・レッスンブログではコンテンポラリーなアーティストのアナライズが中心となっていて、音楽理論的にもアドリブアイデア的にも難しいといった印象を持たれている方が多いようです。
今後はバップ的なアーティストのアナライズも取り上げてはいきたいと思っていますが、しばらくは難しそうな印象。
(私がコンテンポラリーなアイデアに飢えてますからね。笑)
ここらへんは会員限定コンテンツの生配信ギターレッスンにて紐解いても良いかな?とも考えています。
ジャズギター・レッスンブログはとことん細かいアナライズ法の学習としても活用できるので、ご興味のある方は是非ご購読をいただければと思います。
というわけで今回はアナライズについて綴ってみました。
それでは、また。