先日から配信を始めた新しいジャズ・ギター・レッスン・シリーズの「ゼロから始めるコード・コンピング術“ゼロからコード塾“」第4回となる今回は、ワイド・リープ(音域の広い)なコードの構築法であるオープン・トライアドについて解説したいと思います。
このブログ記事はYouTubeのジャズ・ギター・レッスン・ビデオと並行していますので、是非レッスン・ビデオも併せてご視聴ください。
オープン・トライアドの基礎理論
少しマニアックな内容ですが、まずはオープン・トライアドの特性をしっかり理解するため音程間隔から観察してみましょう。
音程的な観察
オープン・トライアドは“5度音程“や“6度音程“などの大きな音程が中心な構成要素となります。
オープン・トライアドを構成する外側の音(アウトラインと定義しています)の音程は“10度音程“となります。
“10度音程“とはなかなか聴き馴染みの少ない音程ですが、“3度音程“を1オクターブ上げたものです。シングル・ラインはもちろん、コード・コンピングなど様々な演奏シーンで活用できる音程です。
それでは、続いてオープン・トライアドの構築方法について解説していきます。
オープン・トライアドの構築方法は至ってシンプルです。
クローズ・トライアドを転回する
結論からお話しすると、クローズ・トライアドの真ん中の音を1オクターブ上げるか、1オクターブ下げることによってオープン・トライアドを構築することが可能です。
オープン・トライアドはクローズ・トライアド同様に、ベース音に来る音次第で転回形を定義します。
続いて、オープン・トライアドの活用方法を簡単に紹介していきます。
オープン・トライアドの活用法
オープン・トライアドは様々なシーンで活用する事が可能ですが、オープン・トライアドのもつ特徴に焦点を当てることでコード・コンピングの可能性を拡張する事が可能です。
ピアノ的な視点での演奏
オープン・トライアドは先述したとおりワイド・リープなコードです。そのため声部を分断する考え方がとても有意義に機能します。
ここでは個人的にピアノ・モードと定義した演奏法を紹介してみたいと思います。
ピアニストの左手(伴奏)と右手(メロディー)
今回の動画講座でも紹介しているように、メロディーと伴奏の2種類の役割へオープン・トライアドの内容を分けて考えていくことで、とても有意義なコードの演出を開発することが可能となります。
詳しくは今回のギター・レッスン動画の中にある演奏例や教材を参考にして皆さんも独自に開発をしてみてください。
来月発売予定の新しい教則本でも「ピアノ・モード」の演奏法について触れているので是非チェックしてください!
コード・アルペジオ的な視点
ピアニスト的な演出の視点に加えて、もちろん1本1本の音へ分散する形(分散和音/アルペジオ)による演出も効果的です。
「コードは同時に音が鳴っていなければコードではない」といった視点を取り払うことで新しい演出法を開発することが可能となります。
個人的に、“コード=メロディー“ “メロディー=コード“といった形で両者が共生関係を保つような形をイメージしています。
練習方法
それではこれより少し具体的な内容として練習方法について綴っていきたいと思います。
譜例を含んだ教材は、今回のギター・レッスン動画の概要欄からダウンロードが可能ですのでぜひ動画も閲覧いただく形でお願いできればと思います。
ポジション・プレイでの練習
今回のYouTubeギター・レッスン動画でもお話している通り、オープン・トライアドの練習にはポジション・プレイとの組み合わせが大変おすすめです。
ポジション・プレイを導入することによって、様々なフォームによるオープン・トライアドを練習することが可能です。
「今のフィンガリング・エリアではこのフォームが最適だな!」といった形で、その時に応じた適材適所を選定できるようにすることこそ最大の効果を生む結果となります。
ポジション・プレイの演出については過去のジャズギター・レッスン動画でも解説しているので合わせてご視聴ください。
ポジションを意識したジャズギターの効率的な練習法について ギターレッスン【43】
単一でのフォームの演出よりはるかに柔軟性に富んだ演奏可能とするので、ぜひ皆さんもポジション・プレイを導入した上でオープン・トライアドを練習するように心がけてみてください!