今回のジャズギター講座は普段使っている4声のコードを2つのインターバルに分散する解釈で新たにコードを構築させるジャズギターコード奏法というものを研究していきます。
新しいジャズギターコードワークのアイデア
まずは多くのギター弾きの方がご存知であろうコードフォーム、5弦3fがRootとなるCM7のDrop2フォームで研究していきます。
2つのインターバルに分散するためのルールとしてコードの1つ飛びの音に注目します。
今回のジャズコードでは、C音はG音を飛ばしてB音とのペアリング、G音はB音を飛ばしてE音とのペアリングで考えていきます。
ジャズギターコード講座 | Ex1 : インターバルへの分割
すると、長7度インターバルと長6度インターバルに分散が可能です。
次にC6というコードを考えてみます。このままこのコードを弾くだけでもCからGが5度、GからAが2度、AからEで5度と5-2-5の度数積みで私好みのジャズギターコード。これは個人的によく使うジャズコードインターバルです。
これを先ほどの音を一つ飛ばしするルールで2音に分割すると…
ジャズギターコード講座 | Ex2 : C6の分割
CとAが長6度
GとEが長6度となります。
この解釈をジャズで多用するマイナーグループのコードとドミナントのコードワークへと応用してみましょう。
ジャズギターコード講座 | Ex3 : Dm7の分割
DとCが短7度となり、AとFが短6度となります。
ジャズギターコード講座 | Ex4 : Dm7♭5の分割
DとCが短7度となり、A♭とFが長6度となります。
ジャズギターコード講座 | Ex5 : G7の分割
GとFが短7度となり、DとBが長6度となります。
インターバルを組み合わせる
次にコードを分割するジャズギターコードのアイデアを逆に利用しインターバルを組み合わせて新しいジャズギターコードを生成してみます。
ジャズギターコード講座 | Ex6 : C(9,+11)コード
◆C+G(5度インターバル)
◆F♯+D(短6度インターバル)
この2つの融合はCからの積み上げでC(9,+11)というなんともジャズ的なコードを作り上げます。
メジャーかマイナーのタイプを分ける3度音が除外されているので様々なタイプのコードで使用可能です。ギターならではな感じのサウンドです。
ジャズギターコード講座 | Ex7 : DmM7コード
◆D+C♯(長7度インターバル)
◆F+E(長7度インターバル)
長7度をDとその短3度上のFからそれぞれ積み上げることによりDmM7というメロディックマイナー派のコードをビルドできます。ジャズ演奏で多くの可能性を秘めたメロディックマイナータイプのジャズらしいコードワークとなるのでこのコードの転回で多くの奇抜なジャズギターコードも生成できる…と思います(まだアイデアをジャズ演奏に転化しきていませんが…w)
このジャズギターコードワークのアイデアの元となったのは7弦ジャズギターリストのGeorge Van Eps氏のジャズギターコードワークを研究している時でした。彼の莫大なジャズギターコードワークからはまだまだ多くのジャズギターコード技法を編み出せると感じています。
さらに今回のジャズギターコード構築法ではジャズギターリストのJimmy Wyble氏の解釈も近いものがあるかと思います。Jimmy Wyble氏のジャズギターコードワークはコンテンポラリージャズギターリストのLage Lund氏のジャズギターコードワークにも通ずるものがあり大変興味深いものがあります。
今回も最後までありがとうございました^ ^
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