Lage Lund氏のビバップなジャズギターソロ
Lage Lund氏はかつて初期のPat Martinoのようなジャズギターソロをバークリー学生時代は演奏していたらしいです。
そのジャズギター演奏の名残を思わせる今回のLage Lund氏によるのジャズギターアドリブフレーズ。
ビバップなジャズギターの雰囲気を感じさせるフレーズも含まれています。
今回ご紹介している初期のLage Lund氏のジャズギターフレーズからは今のLage Lund氏のジャズギタースタイルにつながる演奏/フレーズのヒントが隠されていると思います。
それでは今回のジャズギターレッスンブログも最後までよろしくお願い致します!!
コードの配列を変える
今回のジャズギターレッスンブログにてご紹介しているLage Lund氏によるⅡ-Ⅴ-Ⅰジャズギターフレーズは各小節でトニック(E♭)〜ドミナント(B♭7)の動きを2拍ずつで表現しています。
コードを細分化するフレーズの流れはビバップジャズの流れを感じさせますね。
ビバップなジャズギターの演奏スタイルは基本的に細分化を行います。
細分化(=コードが細かく動くこと)を行うことでビバップで大切となるコードとコードの接続を行いやすくなるためです^^
このことからも分かるようにビバップなジャズギターの演奏の際にはスケールをメインにしてフレーズをビルドするよりもコードトーンや特定の手法を使用してのフレーズビルドが効率的で中心となるんだということがわかりますね!!
その点Lage Lund氏はしっかりと伝統的なジャズのフレーズメイク法やノリなどを学んできたことが今回のジャズギター アドリブフレーズ例からも伺えます。
ドミナントでの解決ライン
1小節目3〜4拍目と2小節目の3〜4拍目はそれぞれB♭7の次のコードの3度音へ解決する定番のジャズギター解決ラインです。
解決ラインのバリエーション
3度音〜3度音
Lage Lund氏のジャズギター アドリブフレーズでの1小節3〜4拍目で確認できる解決ラインです。
解決ラインにも色々な方向性が存在します。
ここで紹介しているLage Lund氏のジャズギターフレーズの場合では解決ラインで最もポピュラーと言っていいと思う3度音から3度音の流れのフレーズです。
ビバップなジャズギターの演奏手法/フレーズはしっかりとした4音で構成されているところにも注目しましょう。
ジャズギター解決フレーズは4音ずつでストックすると色々と応用が利きますよ^^
私のジャズギターレッスンカリキュラムではこのアプローチを突き詰めていくカリキュラム(セクション)があります。
Root〜3度音
3拍目ではRoot(B♭) – ♭7(A♭)ときて残りの4拍目では解決先のE♭の3度音(G)へのアプローチ。ここは囲い込みのアプローチですね。
ここで感じ取れると良いと思うポイントは、ドミナントコードの♭7度音から次のコードの3度音へと下降し落とし込んでいるというポイントです。
このジャズギターフレーズビルドの考え方ビバップなジャズギター演奏の基本中の基本とも言えるフレーズビルド法です。
Lage Lund氏のジャズギター アドリブフレーズからは先ほども触れましたが囲い込みで間をもたせています。
しかしこのLage Lund氏のギターフレーズの基本的な歌となっているのはドミナントコードの♭7度音から続く解決先のコードの3度音への連結です。
囲い込みのアプローチ
触れていませんでしたがLage Lund氏のジャズギター アドリブフレーズでの囲い込みは一番始めのE♭コード上でも起こっています。
ここでLage Lund氏は1小説目で想定しているB♭7の3度音を上下から囲い込んでアプローチしています。
囲い込みのアプローチはコードとコードやフレーズとフレーズの溶接役のような感じでカテゴライズすることで安易にジャズギターフレーズ手法へ落とし込むことができると思います。
先ほどドミナントフレーズのストックは4音で行うと良いとお話ししましたが、囲い込みのアプローチもまた4音でストックしておくとフレーズしやすいジャズギター演奏マテリアルに早変わりします^^
どのようにして4音のフレーズにさせるのかといいますと…「着地点 + 囲い込み3音」とくくってしまうんです。
ビバップなジャズギターの演奏では特に着地と発進を繰り返してフレーズしていくので着地は必ずと言っていいほど起こってきます。
連結を意識している時はインサイドなサウンド(特にトライアドやコードトーン)に着地を繰り返すと思います。
そこで着地したコードトーン1音から次のコードのターゲットノートへ向かう際に3音の囲い込み(ターゲットとなる着地音の半音下 – 全音上 – 半音上など)をすることで4音の整理されたフレーズメイクをすることが可能です。
ここで次のコードのターゲットノートとお話ししましたがジャズギター演奏で基本となる考え方の一つに先読みの演奏というものがあります。
フレーズを繋いでいこう繋いでいこうとしているうちにビバップな演奏になっていくというものです。
もちろんそこにはジャズギターらしくフレーズさせるための秘訣は多く存在しますが、いま演奏しているコード上の内容を想定してフレーズするのではなく次に繋げようとする動きによってジャズギターフレーズが構築されていくということに注目してみましょう^^
Lage Lund氏のようなコンテンポラリーなジャズギタースタイルの演奏法構築にもこの点は結構重要な要素となるのでまずはフレーズをしっかりと繋げていくことを意識するようにしましょう^^
(時にコードトーンなどのインサイドなサウンドに着地させないこともあります!それもあえて外しを狙って行うことで9th終止などカッコイイジャズギター演出につながります^^)
最近のLageLund氏のラインからは想像できないようなフレーズラインですが、初期のLage Lund氏はこのような感じでした。
明るくパステルかかったようなギター演奏が印象的で聞いていてとても爽快な感じです!!
Pat Martino氏の初期の演奏(ビバップ感の強い演奏です)は近代ジャズギタリストにも多くのフォロワーがいるようです。
Jesse Van Rullerもその一人のようですね!ここで共通なのはピッキングテクニックが高いということです。
Pat Martino氏の演奏も美しいピッキングが印象に残ります。
コンテンポラリージャズギター界のミュージシャン達も皆さんギターピッキングテクニックが相当高いですよね!!
ピッキングの模範としても今回ご紹介したLage Lund氏の演奏やPat Martino氏の演奏などを追いかけてみるのも良いと思います^^
そんなPat Martinoの初期の演奏をトランスクライブした本が発売されています。
これは美しいジャズギターフレーズの嵐なので本当にオススメですよ^^
2016 7月8日追記
過去に発売したLage Lund氏の演奏スタイルを研究したジャズギター教則本の発売を再開しましたご興味のある方は下記のページから詳細をご確認ください^^
この音源はLage Lund氏の初期から中期に部類される1枚でとても爽快なLage Lund氏のジャズギターフレーズの数々を堪能することができます^^