Jonathan Kreisberg ジャズギターアドリブ分析
- 公開日 2018/08/08
- 最終更新日 2018/09/04
Jonathan Kreisbergは1972年6月10日生まれニューヨーク出身のジャズギターリスト。
ジャズギターを志す前はプログレッシブロックバンド「Wyscan」のギターリストとして活動していました。
そんなJonathan Kreisbergが初めて本格的にジャズギターリストとしてリリースしたアルバム、「Trioing」より今回は「I Fall In Love Too Easily」に収録されたジャズギターアドリブの一節を紐解いてみたいと思います。
(ちなみに「Trioing」はJonathan Kreisbergのソロアルバムとしては2作目になり、幻の1作目「Trio」ではAllan Holdworthを彷彿させるギタープレイを堪能できます。)
それでは今回のジャズギターレッスン題材となるJonathan Kreisbergによるアドリブをチェックしてみましょう。
ポリリズムとメトリックモジュレーション
Jonathan Kreisbergのジャズギターアドリブを構成する重要な要素の一つとして「メトリックモジュレーション」や「ポリリズム」などのリズミックなアドリブアプローチが挙げられます。
前者の「メトリックモジュレーション」はリズムのグルーピングを指す言葉です。
例えば8分音符を3のグループで演奏すると以下のようになります。
一方、後者の「ポリリズム」はリズムの重なりを指す言葉です。
以下に代表的な例として2拍3連をあげておきます。
2拍中に3つの4分音符のリズムが重なり合っている状態でまさしくポリ(重合した)リズムとなります。
では、Jonathan Kreisbergはどのようにリズムを工夫しているのでしょう?
今回のJonathan Kreisbergのジャズギターアドリブをもう一度確認してみましょう。
Jonathan Kreisbergのアドリブ演奏では3小節にわたって16分音符の3連符の利用が確認できます。ここが怪しい感じですね。
この3連符は16分音符による3連符なので1拍のうちに6音を出すこととなります。
しかし、アドリブソロをよく聴いても6の単位(1拍ずつ)では音が切り替わっていません。
これこそがJonathan Kreisbergの得意とするメトリックモジュレーションです。
Jonathan Kreisbergは3連符の上を4音のリズムグループで演奏しているのですね。ポリリズムとメトリックモジュレーションによる演奏はアドリブソロ第3小節の3拍目まで演奏されます。
Jonathan Kreisbergのアドリブソロにおける第3小節3拍目からは3連符による3の単位での演奏に切り替わります。
リズムにフォーカスをあてた演奏となるので、演奏される内容は難解とまではいかない…と、思いきや!
Jonathan Kreisbergはしっかり近代的な解釈による代理アプローチをジャズアドリブに施してきます。
メトリックモジュレーションの音型
メトリックモジュレーションはリズムグルーピングによるジャズアドリブ技法でした、その為かっちりとした音型として捉えることでアドリブ演奏の中へ挿入しやすくなります。