今回のジャズギター・レッスンブログは前回に引き続きJesse Van Rullerののアルバム「In Pursuit」に収録された「Love For Sale」にて演奏されたギターソロの分析をしていきます。
Jesse Van Ruller 「Love For Sale」 ギターソロ分析
Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第7回
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Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第1回
Jesse Van Rullerのアルバム「In Pursuit」について
Jesse Van Rullerのアルバム「In Pursuit」は、自身初となるピアノとのデュオ2006年の作品。
日本のレーベル55 recordsからリリ−スされた1枚です。
55 recordsからのリリースは他にもJesse Van Rullerのライブ盤としては会心作となる「Live at Murphy’s Law」がありますね。
Jesse Van Rullerが盲目のピアニストBert Van Den Brink(ベルツ・ヴァン・デン・ブリンク)を迎えた本作は、Bill EvansとJim Hallの名盤「Undercurrent」に迫る2人の個性が浮き彫りになるような名作。
M4には「I Hear a Rhapsody」がされているので少し意識しているかな?といった感じです。
M8とM9はライブ収録となっていて、Jesse Van Rukkerのオリジナル楽曲が9曲中3曲収録されています。(M1,M5,M6)
アルバム名 | In Pursuit / 探求~デュオ |
参加ミュージシャン |
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楽曲 |
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録音日 | 2006年 5月6日, 6月1日 |
ジャズ・スタンダード「Love For Sale」について
「Love For Sale」1930年12月8日にブロードウェイで初演されたミュージカル「ザ・ニューヨーカーズ」で使用された楽曲で作曲はCole Porterによるもの。
ミュージカル「ザ・ニューヨーカーズ」のストーリーは酒の密造業者に恋をしてしまった上流階級の娘の社会からの逸脱といった内容で、Kathryn Crawfordと他3人の女友達役によってレストラン (Reuben’s)の前で「Love for sale」が歌われるシーンがあります。
1930年当時においては、白人の娼婦が自分の職業をあけっぴろげに歌い上げるというのは過激過ぎたようで、売春を肯定的にあつかっていて公序良俗に反するとラジオで放送することが禁止されたそう。
しかし、放送禁止となったことで話題となった楽曲でもあります。
「Love for sale」
「Appetizing young love for sale」
出だしの歌詞からして大変過激な印象が…(笑)
楽曲の分析
「Love For Sale」の構成はAABAとなっていて、1セクション16小節の全64小節(!!)となんとも小節数の多い楽曲となっております。
また「Love For Sale」はAセクションでは軽いラテンBセクションではスウィングといった演奏をされることが多い楽曲です。
そして「Love For Sale」のKeyはB♭マイナーです。
冒頭にあるブルース進行的なE♭7やB♭7は、コードチェイスする事なくB♭マイナー系のモードで演奏できちゃいます。(って、むしろいその方がベターだったり…?)
ここのモードチョイスにはB♭ドリアン・モードなんかでフレージングを組み上げても良いと思いますが、B♭メロディックマイナー・モードなんかに挑戦してみても良いですね。
今回Jesse Van Rullerのジャズギター・スタイル分析の対象としているデュオアルバム「In Pursuit」に収録された「Love For Sale」は4拍子と3拍子が交互に来るように構成された変拍子によるアレンジとなっています。
それではJesse Van Rullerによるジャズギター・アドリブソロの分析にまいりたいと思います。
はじめに今回対象とするJesse Van Rullerによるギターソロを確認してみましょう。
Jesse Van Ruller ジャズギターソロの解説
今回のJesse Van Rullerのギターソロ分析対象は2ndコーラスのAセクションからBセクションへの変わり目となる第89小節から第95小節にて演奏されたラインを対象としています。
「Love For Sale」 ソロトランスクリプションの紹介
今回取り上げているJesse Van Rullerによる「Love For Sale」のジャズギター・トランスクリプションを下記のリンクにて販売中です。
興味のある方は今回の学習に合わせて活用してください!
Jazz Guitar Transcriptions
Jesse Van Ruller ジャズギター・スタイル分析 第1小節
Jesse Van Rullerは第1小節のベースコードの解釈のままE♭マイナーを軸にギターソロを組み上げています。
ここではE♭マイナー・トライアドに対して経過音を交えたライナーなギターソロを組み上げています。
Jesse Van Ruller ジャズギター・スタイル分析 第2小節
第2小節ではベースコードのA♭7に対してオルタードテンションを交えたライナーなギターソロをJesse Van Rullerは演奏しています。
さらにここでは、続くD♭maj7の3rd音へA♭7の♭7th音からのガイドトーンによる解決が起きています。
Jesse Van Ruller ジャズギター・スタイル分析 第3小節 – 第4小節
Jesse Van RullerはベースコードであるD♭maj7に対してD♭6のD♭メジャー・ペンタトニックスケールを演奏しています。
D♭6の想定の後、Jesse Van RullerはベースコードのG♭7に対してD♭メロディック・マイナースケールを演奏しています。