Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第10回
- 公開日 2018/09/24
今回のジャズギター・レッスンブログではJesse Van Rullerの「Along Came Betty」におけるギターソロの分析をお送りします。
Jesse Van Ruller 「Live at Murphy’s Law」
Jesse Van Rullerのギタートリオライブ盤 「Live at Murphy’s Law」からは以前も全4回に渡って「Isfahan」のギターソロの分析記事をお送りしてきました。
Jesse Van Ruller 「Isfahan」 ギターソロ分析
Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第4回
Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第3回
Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第2回
Jesse Van Ruller ジャズギター・アドリブ分析 第1回
このアルバムでのJesse Van Rullerは、どの演奏もキレッキレなんでなんなら全曲解析したいくらいです。
Jesse Van Rullerのジャズギター演奏術を知りたい方は要チェックな一枚かと思います。
アルバムタイトル | Live at Murphy’s Law |
参加ミュージシャン |
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楽曲 |
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録音日 | 2004年 7月7日 – 7月8日 |
続いては今回取り上げるジャズスタンダード「Along Came Betty」について。
「Along Came Betty」について
1958年10月30日に録音されたArt Blakey and the Jazz Messengersの「Moanin」に収録されたのが初の録音になるかと思います。
「Along Came Betty」は半音進行が心地よい当時のArt Blakey and the Jazz Messengersメンバーでありコンポーザー兼サックス奏者のBenny Golsonにより作曲されたジャズスタンダードナンバーです。
楽曲の構成はA – B – C – A’となっていて全36小節と少し特殊な小節数となっています。
A – B – A’ではコード進行が半音で行き来するのを確認できると思いますが、このコード感がなんともモダンな感じを生み出していますね。
こういたバランス感覚が重要視される楽曲はコンテンポラリーなアイデアを構築するスキル作リや、アイデアをリフレクトしたりするのにはもってこいの楽曲かと思います。
ちなみにコード進行の表記はJamey AebersoldからリリースされているBenny Golson本人監修のBenny Golson曲集から抜粋しています。
他にもジャズスタンダードバイブル第2巻に掲載がありますのでセッションで演奏する機会もまずまずある印象です。
Jesse Van Ruller ジャズギターソロの解説
今回のJesse Van Rullerのギターソロ分析対象は1stコーラスのBセクション中盤である第11小節から第15小節にて演奏されたギターソロを対象としています。
「Along Came Betty」 ソロトランスクリプションの紹介
今回取り上げているJesse Van Rullerによる「Along Came Betty」のジャズギター・トランスクリプションを下記のリンクにて販売中です。
興味のある方は今回の学習に合わせて是非とも活用してみてください!
Jazz Guitar Transcriptions
Jesse Van Ruller ジャズギター・スタイル分析 第1小節
Jesse Van Rullerは第1小節のベースコードであるF♯m7に対してⅤマイナーとなるC♯マイナーを軸に演奏を展開しています。
第3拍からはベースコードのF♯マイナーに焦点を当てて演奏を作り上げていると想定しました。
そうすると単なるⅤマイナーのブレンドによるマイナー表現と定義することが可能ですね。
最終的にJesse Van Rullerはクロマチックノートを絡めて続く第2小節のベースコードであるGマイナーの5th音へ行き着きます。
Jesse Van Ruller ジャズギター・スタイル分析 第2小節
Jesse Van RullerはⅡ – ⅤとなるベースコードをⅤ7のみで捉えてギターソロを展開しています。
ここでは6thの音がブレンドされてきますが、これが今回のギターレッスンブログにおけるキーノート(重要な音)となります。
Jesse Van Rullerは3拍目からAメジャー・トライアドを演奏しています。
このAメジャー・トライアドはC7に対して