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トライアドペアによるジャズギターアドリブ演奏論

トライアド,コンテンポラリージャズ,ギター,レッスン
  • 公開日 2018/08/04
  • 最終更新日 2018/08/05

トライアドペアとは2種のトライアドを組み合わせることによるジャズアドリブ演奏術。

トライアドとトライアドを掛け合わせる事によりアドリブにてアウトプットするサウンドのヴァリエーションを豊かにするといった印象です。

「黄緑を描きたいなら緑と黄色を混ぜる」といった表現がわかりやすいかと思います。

アッパーストラクチャートライアドとトライアドペアの定義の違いはお恥ずかしながら存じておりませんが、トライアドペアは
アッパーストラクチャートライアドによるジャズアドリブ演奏術と大差ないのでは?と個人的に感じます。

ジャズギターアドリブ演奏にて大切なものとは?

ジャズギターのアドリブ演奏において最も大切となる要素としては、「和声音の表現とそれらの接続」です。

ジャズアドリブではトライアドや、トライアドに7度音を加えたコードアルペジオ(コードトーン)がアドリブ演奏の中枢となる事が大切という事です。

そしてそれらを連結させてジャズアドリブを演奏していきます。

(ということはギターで沢山のトライアドをアドリブ演奏の際に演奏できることが重要となります…)

7度音から3度音への接続

私も過去のYouTubeジャズギターアドリブ講座動画にて解説してきた、「7度音から3度音への接続」すなわちガイドトーンによるジャズギターアドリブ手法こそ接続の最もわかりやすい例でしょう。

ジャズアドリブの秘訣は7度から3度への音の接続! ジャズギターレッスン【29】

このガイドトーンは2つの連続するコードそれぞれのルートとルートが完全4度上の音へ(もしくは完全5度下へ)進行する時に有効的に働くジャズアドリブ演奏のための基本的なルールです。

このガイドトーンの動きにより、アドリブの演奏ラインは7度という音はトライアドの3度音へ解決したこととなります。

トライアド,ツーファイブワン,ガイドトーン

ジャズギターアドリブにおいて大切なガイドトーンの動き

この7度音のようにジャズアドリブ演奏にてしっかりとした方向性をもち、ルールを持つ音をテンションとギターレッスンでは定義しています。

さて、ここでトライアドペアの話に戻りたいと思います。

繰り返しますが、トライアドペアは2つのトライアドを合わせて「何か」を表現するジャズアドリブ手法です。
ただ、その何かを表現する事に目的がフォーカスしすぎてジャズアドリブにおける大切な接続という概念が欠落する事象をよく目耳にします。(個人的にもそういった経験があります)

意味を持つ音をテンションと呼ぶ




トライアドでテンションを端的に表現する

トライアドペアをジャズギターのアドリブ演奏にて利用する際の利点としては、テンションを端的に表現することが可能で、且つジャズアドリブ演奏にてテンションを表現するための手法のストックとカテゴライズが安易になる事です。

例えばオルタードスケールを例にすると基本となるトライアドはオーグメントトライアドで、それを取り巻くように♭9,♯9,♯11のテンションを保有しています。

トライアド,ツーファイブワン,ガイドトーン

オルタードスケールにみるオーグメントトライアド

(個人的なジャズギターアドリブメソッドではこのように原型となるトライアドに対して装飾となるテンションがスケールを作り上げるとします。そのためギターを練習する際は、スケールの練習に時間を費やさないようにしていただいております)

スケールの中枢となるトライアドとしてオーグメントトライアドを挙げましたが、オーグメントとなる♯5の音、すなわち♭13の音もジャズアドリブの解決における有効なテンションとなります。

トライアド,ツーファイブワン,ガイドトーン

♯5度を♭6度としても解釈する

先程取り上げたオルタードスケールをトライアドペアで演奏するには、軸となるドミナント7コードに対して♭Ⅲ度をルートにもつマイナートライアドと♭Ⅱ度をルートにもつマイナートライアドによるトライアドペアにて表現する事が可能です。

このトライアドペアにてテンションは♭9、♯9、♯11、♭13を表現する事が可能です。

トライアド,コンテンポラリー,アッパーストラクチャートライアド

トライアドペアによるオルタードスケールの表現

ご確認いただけるように、見事なオルタードテンションとなりますね。

ここではマイナートライアドを利用してオルタードスケールを表現してきましたが、可能性としてはメジャートライアドでもオーグメントトライアドでもディミニッシュトライアドでも軸の制定次第で表現が可能で、さらにそれらをオープントライアドにすることも可能ですよね。

先日発売したトライアドエクササイズ教則本ではSUSトライアドのジャズアドリブ利用法などをご紹介しています。

ペンタトニックスケールはSUSトライアドと相性がとても良く、3度音程で構成されることのないトライアドであるSUSトライアド自体がコンテンポラリーなジャズギターアドリブ演奏を安易に可能とします。

多くのコンテンポラリーなジャズギターリスト達もアドリブにペンタトニックスケールを新解釈にて利用しています。

まとめ

ジャズアドリブを演奏するトライアドの軸はメジャートライアドやマイナートライアドなどの”マテリアル的視点”なのか、それとも”インターバル的な視点”なのかを見定める。

ちなみにこの教則本を通じてギターの指板上でトライアドの動きを徹底して学習できるようになっています。
指板のシステム化は効率よくジャズアドリブをギターで表現するには必要不可欠な要素と考えています。

永井義朗オリジナルギター教則本の一覧ページ

いつ発売停止となるかわからないので、ジャズギターアドリブ演奏にご興味のある方は今のうちに手に入れておいて下さい。

また、トライアドペアによるジャズギターアドリブに興味のある方はジャズギター界のインスパイアであるKurt Rosenwinkelのデビューアルバムである「Intuit」に収録されたアドリブ演奏を徹底的に分析し、トライアドによるジャズアドリブ演奏術を確立することがおすすめです。

その際はギターにおけるトライアドの明確な演奏のルールと視覚化もお忘れなく!

それでは、また。