Ben Monderのフレーズを分析
フォーマット : B♭major Ⅱ-Ⅴ
リディアンサウンドの使用
1〜2小節目ではB♭リディアンでのアプローチ。Eの音がB♭に対して♯11thとなりリディアンの持つ間の抜けたような浮遊サウンドが演出できます。
クロマチック
このソロにおいてクロマチックでのあやふやさの表現はピカイチですね(笑)
2小節目から3小節目にかけてのクロマチックはお見事。
3小節目の頭にCm7の♭3rd音(E♭)を置いて着地しています。着地点はしっかりやはりここでも確認できます。
着地点をずらす
F7上と解決先のB♭の頭にはサウンドノートを配置せず先取ったノリで演奏をしています。F7の上ではF♯(G♭)音、B♭の先取りではD♭音と結構チャレンジなサウンドで攻めていますね。B♭上ではD♭音で引き伸ばされたラインが3度音(D)に戻りB♭コードへの着地を感じさせています。ここではリズムの使い方もポイントです。
リズムコントラスト
たたみ込むような8分での3連とリリース感の強いの演出の2拍3連。これもウネウネしたちょっとパニックな演出に効果的に作用しています。
B♭上での2拍3連はさり気ないようですが通して聞いてみるとビヨーンとした音に変化しています。
まとめ
今回のBen Monderのソロフレーズでは彼の持つ狂気的なサウンドとゆったりと大きなノリで歌い上げる余裕とが見事にブレンドされています。ピッキングを極力避けたレガートな奏法も特徴。Jim Hall以降のジャズギターサウンドの構築には必須の項目と言えるでしょう。
参考音源