今回のジャズギター講座は度数を限定してのジャズギターアドリブ奏法「デジタルパターン」という少々メカニカルなジャズギターアドリブアプローチを検証していきます。
実際のアドリブ演奏ではインターバルや音数の組み合わせによりいくつものデジタルパターンの型を考え出すことができます。
ジャズギター アドリブ演奏の代表格「1-2-3-5」
これはジャズサックス奏者のJohn Coltraneがメジャーペンタトニックスケールから抜き出したメジャー系のジャズアドリブ演奏の代表的なパターンです。
ジャズギターリストのJoe Passなどもアドリブで多用したデジタルパターンの型です。
ジャズギターアドリブ講座 | Ex:1 メジャーのデジタルパターン
パターンディスプレイスメント
上記の1-2-3-5のアドリブ演奏のパターンを入れ替えて(ディスプレイスメント)みましょう。
2-3-5-1
ジャズギター アドリブ講座 | Ex:2 メジャーのデジタルパターンディスプレイスメント
3-5-2-1
ジャズギター アドリブ講座 | Ex:3 メジャーのデジタルパターンディスプレイスメント2
5-1-2-3
ジャズギター アドリブ講座 | Ex:4 メジャーのデジタルパターンディスプレイスメント3
デジタルパターンディスプレイスメントによりインターバルの組み合わせに変化を与えることができるので同じデジタルパターンでもアドリブ演奏での色味が変わってきます。
好みのパターンは見つかりましたでしょうか? このようにして一つのアイデアに他の方向性を持たせると(今回は音の配列を変えてみました)ジャズギター アドリブソロで使用できるアイデアの幅が一気に広がります。
モチーフ展開
デジタルパターンはジャズギター アドリブソロのモチーフ展開にも適しています。音名でのアプローチではなく度数のアプローチなので、アドリブ演奏中の視覚的/感覚的な情報処理がやはり早いんですね。
同じパターンを3回ほど連結させてアドリブ展開してみましょう。ここでは代理コードのジャズギター アドリブアイデアが役に立ちます。
ジャズギター アドリブ講座 | Ex:5 デジタルパターンのモチーフ展開例
小さなコードシンボルでアドリブ時に想定する代理コードを表記しておきました。
メジャーコードとマイナーコードに対してはこの後の章で代理コードを研究しています。ドミナント7ではRootのメジャーパターンと♭ⅢにあたるB♭メジャーパターンを使用してのサブドミナントマイナー的なアプローチとなっています。
ジャズギター アドリブソロのモチーフ展開のポイントは「同じ度数積みのデジタルパターンを繰り返す」
逆にギターアドリブフレーズとして取り入れる場合はデジタルパターンのナンバリングを入れ替えたりリズムを不規則にすることで数学的の音楽アプローチに対してメカニカルではない創造性をジャズギターのアドリブ演奏に加えることが可能です^^
代理コードでの代用
メジャーではⅣメジャーやⅤメジャーが代理アプローチの定番でしょう。
ジャズギター アドリブ講座 | Ex:6 代理でのジャズギター アドリブアプローチ
ⅣメジャーのFとⅤメジャーのGの1-2-3-5パターンを使用してラインにしてみました
最後のCM7は1-2-3-5のパターンを1-3-5-7のパターンへと置換しています。(コードトーンと同じですがあくまで1-2-3-5の変形と考えています)
マイナーでは♭Ⅲメジャーや♭Ⅶメジャーです。
ジャズギター アドリブ講座 | Ex:7 代理でのジャズギター アドリブアプローチ2
マイナーでは♭Ⅲ(E♭)と♭Ⅶ(B♭)を使用してのラインを使用しています
叙情的なマイナーラインの形成にはもってこいの代理コードです。
メジャーとマイナーでも可能性は他にたくさん考えられますが今回は1-2-3-5のメジャータイプのデジタルパターンに限定しているので代用コードもメジャーで代用可能なもののみを選んでみました。
(ドミナントはアドリブ演奏の可能性が多いので次の機械で研究していきたいと思います!!)
「音の伸縮がデジタルパターンでのジャズギター アドリブ演奏のカギを握ります!!」
今回も最後までありがとうございました^ ^
●参考になる教本たち
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