私のギターレッスンでは生徒さんにご紹介したアイデアを基に必要に応じて、生徒さん自身で考えたソロを記譜をしていただき、それを演奏できるようにしていただくカリキュラムも採用しています。
このギターレッスンカリキュラムを一回のみならず、ほぼ毎回のレッスンでソロを自身で考え、演奏する練習をこなしてくださる熱心な生徒さんも中にはいらっしゃいます。
毎回自分のアイデアとして血肉となるように使い方を模索されているんですよね。素晴らしいです。
そして実際のところソロを自ら考案し、演奏する練習を続けていただいた生徒さんの学習の伸び率がとても高いといった結果も得られました。
そのため今回はプロセス立ったジャズギターアドリブの練習法のメリットや基本となるジャズアドリブの演奏アイデアを発展させる工程、そして自ら考案したジャズアドリブソロを書き出すメリットなどについて簡単にお話ししたいと思います。
レニー・トリスターノの逸話
“レニー・トリスターノ(Lennie Tristano, 1919年3月19日 – 1978年11月18日)は、アメリカ合衆国の盲目のジャズ・ピアニストで作曲家。演奏家としては、クール・ジャズやビバップ、ポスト・バップ、アヴァンギャルド・ジャズのジャンルで活動した。ジャズの歴史においてはいささか過小評価されてはいるが、即興演奏家としては、顕著な独創性や驚異的な活動ゆえに、通のジャズ愛好家から長らく称賛されてきた。さらに教師として、リー・コーニッツやビル・エヴァンスらを通じてジャズ界に抜本的な影響を与えてきた。”
トリスターノスクールの門下生だったテナーサックス奏者のテッド・ブラウンはトリスターノが指定した楽曲のコード進行に対して自身でアドリブソロを作曲するレッスンを数年間のあいだ毎週取り組んでいたそうです。
このテッド・ブラウンのインタビューを目にした私は、音楽教師としても音楽家としても尊敬するレニー・トリスターノが数々の個性豊かなジャズ演奏家である門下生達を輩出した理由はここにあるのでは?と書き譜によるソロの開発といったギターレッスンカリキュラムの導入へと結びつくことになりました。
上記の情報のソースはリー・コニッツの自伝書(第3章「トリスターノ師事時代」 p.89〜)から。この本はお時間あるときに読んでみてください。とても面白い一冊ですよ。
ジャズギターはシステマチックに学習するべし
ジャズギターは特にシステマチックな学習が可能です。
「この前学んだこの手法をここでも使えて…」
「同じジャズアドリブ語法も、この角度でなく別の角度から演奏できるじゃん…!!」
といったようにアイデアを使い回す事が至る所で可能です。
既存のジャズフレーズであるリックは目先のジャズアドリブ演奏を再現することでしか機能出来ず、根本的な演奏論の理解こそジャズギターのアドリブ演奏を確立する上で重要な要因となります。
ジャズリックを芯から理解し演奏するには、理論やジャズアプローチに深く精通していないと不可能なのが現実。ここでジャズ初心者やこれから一歩先へ進みたい中級者の方が最適な資料に出会えないパラドックスが生まれます。
リックが悪いのではなく、ジャズリック形成の原理を理解すると自ら解析をしアレンジをしてジャズリックをアドリブで使いまわす事が可能です。
私のジャズギターレッスンではその域を目指してカリキュラムを構築しています。
過去のブログでも数回ご紹介しておりますが、濱瀬元彦さんのご著書「チャーリーパーカーの技法」は大変素晴らしいものがあり、そこにはセールス的でなく使命感にも似たものを感じます。
自分のアドリブソロを書き、演奏し理解を深める
根本的なジャズギターアドリブ演奏は積み上げ式による学習が可能と先程お話ししました。
ジャズギターアドリブ練習法のポイントはズバリ「建設的であるか否か」です。
とあるジャズアドリブ手法の学習のプロセスを簡単にご紹介すると…
1.トライアドを理解をする
2.それらを繋げるように演奏する術であるガイドトーンの挿入
3.ガイドトーンを「別のトライアド」で表現する
この段階で先日のトライアドペアの学習のベースを描くことが可能です。
さらに発展させて…
4.オープントライアドの学習
5.ビバップにみるスケールと分散和音のコントラスト
6.コントラストのトライアディックな活用
これで今っぽい解釈による演奏が可能です。
そしてジャズアドリブソロを内容に応じて描くんです。どのようにその音が使えるのか?どのようにサウンドさせていく事が自分の思うかっこいいに繋がるのか?を考えながら。
ご興味ある方は私のジャズギターレッスンをご受講ください!
それでは、また。