Mark Turner コンテンポラリージャズアドリブ分析

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  • 公開日 2018/08/11
  • 最終更新日 2018/08/13

革新的サックス奏者 Mark Turner

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Mark Turnerは1965年11月10日オハイオ州はフェアボーンの生まれのジャズサックス奏者。
90年代以降あらためて評価されている「ドライブ感よりも浮遊感を重要視」したクールジャズ寄りの知的な演奏スタイルを進化させメインストリームへ押し上げた張本人である。

また同時期にKurt RosenwinkelとQurtetを結成したMark Turnerは、94年ダウンタウンにオープンしたジャズクラブ「スモールズ」を中心に活動を開始。
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当時からスモールズは多くの新進気鋭な若手ジャズミュージシャンの情報交換の場となっていたそうな。




分析するアドリブの収録盤と楽曲について

今回参考とするフレージングソースは、Tad Shull(1955年10月15日コネチカット州フェアフィールド郡ノーウォーク出生のテナーサックス奏者)との共作となる「Two Tenor Ballads」に収録された「Blue In Green」でのMark Turnerによるアドリブ演奏から。

アルバム名 Two Tenor Ballads
参加ミュージシャン
  • Mark Turner (Ts)
  • Tad Shull (Ts)
  • Kevin Hays (P)
  • Larry Grenadier (B)
  • Billy Drummond (D)
  • 楽曲
    1. A Flower Is A Lovesome Thing
    2. Autumn In New York
    3. Blue In Green
    4. What’s My Name
    5. I Forgot To Remember
    6. Alone Together
    7. Very Early
    8. Turn Out The Stars
    9. You’ve Changerd
    録音日 1994年12月30日

    Criss Crossからリリースされた本作はジャズスタンダードやジャズメンによるオリジナルのスタンダード曲集である。Mark Turnerは3 – 7 – 8のBill Evansの楽曲をTad Shullは4 – 5 – 9を選曲しています。

    今回のジャズギター・レッスンブログにて取り上げているMark Turnerの選曲した「Blue In Green」はトランペッターでジャズの帝王であるMiles Davis作曲のジャズバラード。
    といってもこれはクレジット上であってこの曲の真の作曲者はBill Evansとされています。

    「Blue In Green」はメロディックマイナーのサウンドを理解するには良い楽曲なのではないでしょうか?

    それではMark Turnerによるジャズ・フレーズを確認していきましょう。

    Mark Turner ジャズアドリブフレーズ

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    Mark Turner ジャズアドリブフレーズ 第1小節

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    Mark Turner ジャズアドリブ 第1小節



    Fコンディミのダイアトニックテンションを利用し、ベースコードとなるF7のⅢdim7代理となるAdim7のコードトーンへアプローチを加えフレーズメイクがなされています。

    また、3連符を2音のグループとしたポリリズム上でのメトリックモジュレーションとなります。
    これは以前Jonathan Kreisbergのジャズギターアドリブフレーズを分析した際にも取り上げましたね。

    Jonathan Kreisberg ジャズギターアドリブ分析





    Mark Turner ジャズアドリブフレーズ 第2小節

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    Mark Turner ジャズアドリブ 第2小節



    1拍目ではB♭メジャー7のコードトーンに対し、3連符を2音グループ化したアドリブフレーズを展開しています。

    2拍目から4拍目まではB♭の平行調にあたるGマイナー7を想定してのアプローチ。

    ここでもコードトーンへクロマチックのアプローチを展開しています。

    ここは2音のアプローチとコードトーンとにグルーピングすることで規律だったルールとすることが可能ですね。

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    Mark Turnerのコントラストが美しいジャズアドリブ

    4拍目ではB♭マイナーを想定。これは第3小節冒頭にて想定されるコードと関連しています。


    Mark Turner ジャズアドリブフレーズ 第3小節

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    Mark Turner ジャズアドリブ 第3小節



    1拍目はベースコードA7に対しての裏コードとなるE♭トライアドを想定。先程の第2小節4拍目におけるB♭mとはⅡ – Ⅴの関係となります。

    1拍裏から2拍頭ではFオーグメントトライアドを想定。
    これはAオーグメントとも解釈可能ですが、続く2拍裏から垣間見れるB♭マイナーに対してドミナントモーションとなるコードです。

    2拍裏からはB♭マイナーを想定し、2拍裏と3拍頭ではB♭マイナーの♭ⅢM7となるD♭メジャー7コードを想定してアドリブが演奏されています。

    さらにMark TurnerはD♭メジャー7のコードトーンにおける5度音を半音下げて演奏している点にも注目したいところです。

    3拍裏から4拍目にかけてはB♭マイナー想定によるアドリブ演奏となっています。

    ベースコードA7上で演奏されるB♭はAオルタードを想定する事となり、Mark Turnerはそのコード想定をさらに細分化してアドリブ演奏をしていることが伺えます。




    まとめ

    3小節しか取り上げていないにもかかわらず、結果的にはMark Turnerの音楽性の深さを伺える結果となったのではないでしょうか?

    今回取り上げた数々なアドリブ手法の中でもインターバルに注目して研究していたことが伺えるコンディミのラインは大変有意義な情報でしょう。

    コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケールは特にインターバリックな視点や音形的な視点などで研究するべきスケールだと個人的に考えています。

    1. コンディミのインターバリックなアプローチ
    2. ポリリズムとメトリックモジュレーション
    3. オルタードマイナーのⅡ – Ⅴ化

    それでは、また。