Thesaurus of Scale and Melodic Patternsでパターンを抽出
このスケール教則本は音をある一定のインターバルで分割していき、分割されたインターバルに対して様々なアプローチ音を加えていくというユニークな趣向の”音階辞典”です。
そして今回着目したのはThesaurus of Scale and Melodic Patternsのパターン11です。
John ColtraneやJulian Lageも愛用
上記の2人の登場でこの本がいかにマニアック思考な教則本なのかが伺えますね(笑)
演奏のパターンは数千にも及び、とても分厚い教則本ですが丁寧に見つめていくと発見が多くある一冊でもあります。
少々機械的な趣向の教則本でもあるのですが、ジャズギターのアドリブ演奏のアイデア精製にはこのくらいの方がしっくりくると個人的には思います。アイデアを得るにはとてもいい本ですね!!
それでは本編を進めていきましょう。
下記の譜面はThesaurus of Scale and Melodic Patternsのパターン11をそのまま上下行させたものです。この音階からはCを基準に考えると、♭9と♯11のテンションが入っているのでコンディミを想定することができます。
この音階辞典の特徴でもあるオクターブ内を等分で分配することからシンメトリカルなラインのアイデアに使えそうなものが頻出します。
(余談 : コルトレーンはこの本からヒントを得てかの有名なジャイアントステップスという名曲をつくりあげました。後のコルトレーンチェンジと呼ばれるコード進行(長3度によるチェンジを繰り返す)も12音階をちょうど4等分して一週することができます。)
そして上記の音階を使ってドミナント7コード上でのラインをスケッチしてみました。
ソロ構築のポイント
長2度と増4度
これは前回の講座のLage Lund氏のブルースのラインから触発されたものです。浮遊感指数はMAXでしょう(笑)
このインターバルを中心にリズムを引っ張りシンコペーションを取り入れる事で、だらっとした印象を少なくしてみました
裏コードトライアド
後半にはG♭△を登場させ、C7の裏コードを想定したトライアドを抽出することができました。裏コードのトライアドは一瞬ハッとさせられる感覚がしますね。飛び道具感覚でまたはスパイスとして少しラインに刺激をもたせたいときに役立つアイデアです。
実際のレッスンでは基礎的な操縦方法を習得した後にスケールやアルペジオの中から今回の講座のようにどうサウンドさせるかを中心にレッスンをしていきます。生徒さんのセンスを十分に発揮できるようサポートします。
最後までありがとうございました!!
参考資料
ギターヴァージョン!!!こんなものもあるんですね。