分析するソロの音源について
今回のジャズギター講座で取り上げるLage Lundのギターソロは2014年7月29日にニューヨークのBar Next Doorで行われたライブにて披露されたSonny Rollins作曲のブルース「Solid」の演奏から。
この演奏に正式な録音のリリースはなくオーディエンスショットによるものである。
動画のソースは現在もYouTubeにアップロードされており視聴が可能だが、私が以前Lage Lundのソロを採譜したものを重ねたヴァージョンをここでは紹介しておくこととする。
今回は4コーラス目(0:36)のピックアップ部分からLage Lundのジャズギタースタイルを紐解いていきたいと思う。
まずは今回取り上げていくLage Lundによるソロの全容をご確認いただこう。
Lage Lund ジャズギター分析 ギターソロの全容
Solidのトランスクリプション
今回題材としているLage Lundの「Solid」は以下のリンクにてフルトランスクリプションの販売を行なっているので学習に合わせてお使いいただければと思う。
Lage Lundのジャズギター・スタイル分析
第1 – 2小節
ピックアップ部分となる第1小節でB♭メジャー・トライアドとE♭メジャー7・アルペジオがハッキリと演奏されている。
ここでのB♭メジャー・トライアドはE♭メジャーの和声に対し、5度を主音とする代理和声として機能する、そのため演奏軸はE♭メジャー7にあると推測する。
Lage Lund ジャズギター分析 代理コードの活用
「第2小節はF7軸として演奏している」と仮定することにより、先ほどのE♭メジャー7はFドミナント7コードの♭7度音を主音とする代理和声と捉えることが可能である。
Lage Lundのコードに対する転回軸がうかがえるアドリブラインだ。
またE♭メジャー7の出現に加えて、アドリブソロ第2小節がFドミナント7コードを軸として演奏されていると仮定できる理由がもう一つある。
それは