今回分析するLage Lundのジャズギター・アドリブフレーズはLage Lundの盟友である、ジャズ・サクソフォニストのWill Vinsonのグループでのライブ盤「Live At Smalls」で演奏された「Stablemates」におけるギターソロである。
分析するLage Lundのギターソロ収録盤について
アルバム名 | Live At Smalls |
参加ミュージシャン |
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楽曲 |
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録音日 | 2012年12月4日 12月5日 |
まずは今回取り上げていくLage Lundのジャズ・アドリブが演奏されている楽曲を解説したいと思う。
Stablemates 楽曲の構成
Stablematesはジャズ・サックス奏者で、作/編曲家のBenny Golsonにより作曲された。
Benny Golsonの活動中期(1955年 – 1956年頃)にはLionel Hampton楽団やDizzy Gillespie楽団のバンドで作・編曲者としても活動し、この頃に培ったビッグバンド向けのモダンな編曲スタイルをリフレクトし作り上げられた1曲が今回取り上げる「Stalemates」である。
ソングフォーム | A–B–A |
構成 | スウィング(Aセクション) ラテン(Aセクション 11 – 14bar) スウィング(Bセクション) |
調性 | D♭メジャー |
Lage Lundのジャズギター・フレージングをメインに分析するので、楽曲のアナライズは今回割愛させていただく。
今回のLage Lundによるギターソロは第11小節から第15小節までの演奏を分析対象としている。
また、今回題材としているLage Lundによる「Stablemates」のフルトランスクリプションを以下のリンクにて販売しているので学習に合わせてお使いいただければと思う。
それでは分析対象とするLage Lundによるアドリブソロの全容をご確認いただこう。
Stablematesは半音進行と4度進行によるコード進行のコントラストを描いたスリリングな作品であるが、今回のLage Lundによる演奏は4度進行上でのⅡ – Ⅴ – Ⅰのフレージングアイデアとしてストックが可能だ。
Lage Lundのジャズギター・アドリブソロの解説
Lage Lund ジャズギター・スタイル 分析 第1小節
Lage LundはE♭マイナー7のベースコードに対して、セカンダリー・ドミナント7コードとなるB♭ドミナント7を想定していると捉える。またセカンダリー・ドミナント7コードのクオリティーをsus4にチェンジして演奏されている。
B♭ドミナント7の♭7度音からE♭マイナーの♭3度音にガイドトーンによる接続が行われている。Lage LundもしっかりとBebopの基礎を学んでいることが伺えるラインである。
私が執筆したトライアド・エクササイズ教則本にはSUSトライアドの練習法まで掲載しているので、今回分析するLage Lundのソロにあるようなsus4コードへのクオリティー・チェンジを安易にする術を教則本のエクササイズを通じて培うことが可能である。
事実、Lage LundはSUSトライアドをパーソナルなものとする練習法を考案している。