今回のジャズギターレッスンではKurt Rosenwinkelのギターソロフレーズを分析していきます。
今回のギターレッスンブログはKurt Rosenwinkelのソロ演奏の中で色鮮やかなトライアドギターソロワークに焦点をあててギターレッスンを進めていきたいと思います^^最後までよろしくお願いします。
永井義朗ジャズギターレッスンブログ | Kurt Rosenwinkelによるジャズギターソロ
ビバップなジャズの流れにプラスα
90年代のKurt Rosenwinkelのギター演奏は音を追う中にもアウトへ少々強引に持っていくといった特徴があります。これはKurt Rosenwinkelの活動経歴でもかなり初期に在籍していたPaul Motian Electric Bebop Band時代に演奏していたビバップな楽曲(ParkerやMonkの曲など)のギターソロからも確認できます。上記のKurt Rosenwinkelのギターソロは初めのE♭△やA♭m7-D♭7、その後に続くE♭△は追った演奏をしていますね。
その中でKurt Rosenwinkelのカラフルなトライアドワークが垣間見れます。(トライアドの解説はレッスンの後半で)C7(Ⅵ7)では裏コードのF♯7を想定したトライアドワーク。このトライアドも裏コードを追っていますね^^
インサイドな世界観展開の後に急にどアウトなF♯(G♭)音を入れることで今回のレッスンのKurt Rosenwinkelのギターソロ例から感じることのできる独特の浮遊感が生まれます。
このような急な音楽的場面展開にJohn Coltraneの流れを感じるのは私だけでしょうか…?(笑)
アッパーストラクチャートライアドワーク
主に3小節目のE♭△や4小節目のC7上で発生しているトライアドによる演奏を指します。
5度トライアド
E♭△(Root)に対してB♭△(5度トライアド)を弾くことでE♭major7th9の演奏が可能です。都会的で泥臭さの少ないサウンド、力強いサウンドに仕上がるのが特徴です。
減5度(増4度)トライアド
今回のレッスンで解説しているKurt Rosenwinkelのギターソロ内では4小節目のC7で展開されています。減5度のトライアドは主にドミナント7thの裏コード想定の時に使うのがまず基本でしょう。裏コードのトライアド演奏は方法論に沿ったトライアドをはめていく演奏では多少メカニカルな感じの歌に仕上がりがちです。ここでKurt Rosenwinkelは2度の音を加えているのに注目してみましょう。必ずしもアッパーストラクチャートライアド想定だからといってトライアドだけでソロを取る(または作る)必要はないわけです。
今回のジャズギターレッスンではKurt Rosenwinkelのトライアドワークに注目してきました。今回のギターレッスンのソロで素晴らしいのは音での表現の他にもトライアドの先取りによる交わりを持ったトライアドの使い方です。この点はビバップとは違った感覚になるかと思いますのでトライアドの配置にも注目してみると発見があると思います。
このジャズギターレッスン記事が皆様のひらめきの参考になれば嬉しいです。最後までご覧いただきましてありがとうございました。次回のジャズギターレッスンもお楽しみに!!
●今回のKurt Rosenwinkelギターレッスンブログの参考音源
Kurt Rosenwinkelの初期の名作です。