今回のジャズギターレッスンブログではJesse Van Ruller氏のアドリブソロを研究していきたいと思います。
アドリブラインのKeyはCマイナーで、全体的にとても汎用性の高いアドリブラインです。
それではJesse Van Ruller氏の譜面をチェックしていきましょう! 今回も最後までよろしくお願いします^^
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音型/パターンでのアドリブライン
今回のJesse Van Ruller氏のアドリブソロラインはパターンを多用した8分音符をベースとするラインです。
それでは使用しているパターンなどを細かくチェックしてみましょう。
1つのコードに2つのパターン
1小節目はCマイナー一発でのラインです。
1,2拍ではCマイナーの♭Ⅲメジャー代理のE♭メジャー9でのライン、
3,4拍はA♭M7のラインです。
どちらもトライアドに1音を加える感覚で音型を構成することができます。
1,2拍のE♭△9のラインはE♭トライアドに9thをプラスしたジャズギター常套句パターンです。
3,4拍のA♭△7はA♭トライアドに長7度をプラスした4声コードのコードトーンです。
(私のレッスンでは7thコードのコードトーンもトライアドに1音を足した形として解釈していきます。)
ここでJesse Van Ruller氏は3連符を使いリズムに緩急のコントラストを演出していますね。Bebopなラインではよく使われる手法でJesse Van Ruller氏が伝統的なビバップジャズギターをベースメントに持っていることを伺うことができます。
オリジナルと代理コード
次のパターンは2小節目にて確認できる2つの音型です。
ここでのコードはFm7 – B♭7とE♭に対するⅡ-Ⅴとなっていますが、Jesse Van Ruller氏はⅡ-Ⅴのアドリブラインを弾くわけではなくCm(E♭)のアドリブラインを演奏しています。
パターン構成は1,2拍でCm11、
3,4拍ではE♭△9となっていてここでもまたトライアドに1音をプラスした感覚で解釈しベースにあるトライアドを見出すようにします。
Cマイナートライアド + 11thとE♭メジャートライアド + 9thと考えていきます。
アドリブパターンの使い分け
続いてはJesse Van Ruller氏によるアドリブラインの5小節目に注目してみましょう。
1,2拍ではFmの♭Ⅲメジャー代理のA♭△、
3,4拍ではFm7♭5の♭Ⅲマイナー代理をもとにしたC♭マイナーによるアドリブライン。
1,2拍のラインはトライアドのルートをダブリングして4音で演奏していますね。
3,4拍のラインではC♭マイナーをスケールワイズに上行するアドリブラインを演奏しています。
コードトーンやトライアドなどの立体的なサウンドの後はスケールワイズななめらかなラインが良いコントラストを生み出しますね^^
♭Ⅵ△でのオルタードフレーズ表現
続くアドリブソロ6小節ではB♭7コード上にてG♭(F♯)のトライアドをJesse Van Ruller氏は演奏しています。
これはアッパーストラクチャートライアドとなっていてテンションを演出するためのトライアド演奏となっています。
ドミナントのルートから考えた♭Ⅵ△をドミナント7コード上で演奏するとオルタードを表現できます。
♭Ⅵ△をドミナントから観察するとR,♯9,♭13の音を取り出すことができます。
4拍目からはE♭のトライアドを弾き始めています。要素の先取りといった感じです。
続くアドリブソロ7小節目ではE♭のⅢマイナー代理であるGマイナーを演奏しています。
ここではGm11の音型を11thからスタートさせていますね。(7小節2拍目からの4音)
ジャズらしいパターンによる演奏
Jesse Van Ruller氏はかつてPat Martino氏のこちらのアルバムのJust Friendsのソロを徹底的に真似ていたようです。
その影響かJesse Van Ruller氏の演奏するアドリブにはエッジの効いたたたみ込むようなラインが数多く確認できますね。
パターンの演奏は8部音符にてたたみ込むような演奏にぴったりのアドリブ構築法です。
Joe PassのシングルラインやJohn ColtraneのGiant Stepsなどの演奏をイメージ間していただけると良いと思います^^
今回も最後までありがとうございました。
Jesse Van Ruller | In Pursuit
オランダが生んだ2人の天才のデュオアルバム。Jesse Van Rullerと盲目のピアニストBert van den Brinkによる美しいインタープレイを堪能できます!!