今回のジャズギター・レッスンブログではKurt Rosenwinkel、Lage Lund、Jesse Van Rullerのお三方によるアドリブソロから抽出したトライアド・ワークについて取り上げていきます。
Kurt Rosenwinkelのトライアド
今回取り上げているKurt Rosenwinkelによるジャズギター ・アドリブ研究の採譜元となった音源はコンテンポラリー・ジャズギターのバイブルと呼んでも過言ではないであろう、Kurt Rosenwinkelのデビュー・アルバムであるIntuitに収録されたHow Deep Is The Ocean?です。
IntuiteにおけるKurt Rosenwinkelのギターソロは全体的にトライアド・ペアの試行錯誤の嵐なんです。
「これでもかっ!」.とトライアドを使いまくります(笑)
なので私はこのIntuiteをコンテンポラリー・ジャズギター のバイブルと紹介させていただきました。
さて、肝心の音使いですがKurt Rosenwinkelはドミナント7コードに対して裏コードとなるトライアドを想定し、それらを2つのトライアドすなわちトライアド・ペアへと拡張しています。
ベースコードを広く解釈することで上記のギターソロが成立します。
そこでKurt Rosenwinkelの頭の中で描いたベースコードは以下のようになっていると推測します。
こうするとDドミナント7には裏コードとなるA♭メジャー・トライアドとそのペアである全音上のB♭メジャー・トライアドが想定されたこととなり、第2小節のGドミナント7には裏コードとなるD♭メジャー・トライアドとそのペアである全音上のE♭メジャー・トライアドが想定されたこととなります。
ここでポイントとなるのは裏コードに相当するメジャートライアドとそのトライアドの全音上をルートに持つメジャー・トライアドはオルタード・テンションを演出することになるという点です!
この解釈は以前、私のYouTubeギターレッスンチャンネルにてご紹介したマイナー・ペンタトニックスケールでのオルタード表現と類似した考え方となります!
では次のKurt Rosenwinkelのギターソロを分析してみましょう。
このKurt Rosenwinkelなよるギターソロでも、トライアドを細かく想定してアドリブを作り上げています。
トライアド・ペアによるアドリブソロの構築法は先程のKurt Rosenwinkelのギターソロ内容と同じです。
Kurt Rosenwinkelの頭の中で想定されたベースコードをあぶり出すと以下のようになります。
Kurt Rosenwinkelはドミナントに重きを置いてギターソロを作り上げていますが、これはCharlie Parkerから続くジャズアドリブソロ構築法の基本となります。
どうやらCharlie ParkerはⅡ – Ⅴ進行のコードをⅤのみで考えてジャズ・アドリブを演奏しているようなんです
さて続いてはLage Lundのジャズギター・アドリブソロにおけるトライアド・ペアを分析して手法を解説していきたいと思います。