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無料ギターレッスン スケール練習の落とし穴

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「スケール練習の落とし穴」〜ギターの演奏におけるスケールの位置付けとは?〜

と題しまして今回のギター講座はスケールをどのように自分のギター演奏へ効果的に反映させる事について考えていきたいと思います。

ギター演奏のコツ | 雰囲気(ムード)重視のスケール観とは?

ギター演奏でよく耳にする「スケール」。スケールにはそれぞれ雰囲気があるんです。メジャースケールとは明るい雰囲気。マイナースケールとは暗い雰囲気。他にもスパニッシュスケール(スパニッシュスケールとは、フリジアンスケールに長3度音を加えたスケールでその名の通りスパニッシュな雰囲気のスケール)やギターのアドリブ演奏では定番のペンタトニックスケール。そのペンタトニックスケールの仲間である都節音階(みやこぶしおんかい)は古き良きジャパニーズな雰囲気を演出するスケールです。スケールとは簡単に言うと雰囲気の演出をするための表現手段なのです。



ギターでスケールの雰囲気を観察する | 基準となるスケールとは?

それではスケールの雰囲気に判断基準を持たせる為にまずメジャー、マイナー、ドミナントの3つのタイプに対して基準となるスケールを提示しておきます。基準となるスケールを操作/把握する事で雰囲気の違いやスケールを作り出す出発地点となります。それぞれギターなどで音に出しての確認もしてみましょう。
Keyは全てCに統一しています。

Ex.1  Cイオニアンスケール

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/aeorian.mp3?_=1

 

Ex.2  Cエオリアンスケール(ナチュラルマイナースケール)

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/aeorian.mp3?_=2

 

Ex.3  Cミクソリディアンスケール

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/mixo.mp3?_=3
ここでミクソリディアン系の他のスケールを例に雰囲気の確認をしてみましょう。今回はリディアン♭7というスケールを例に出してみました。


リディアンの意味とは?

ここで補足を入れておきます。
リディアンスケールとは、もともとイオニアン(メジャースケール)の変化系で、イオニアンスケールの11th(4番目の音)を♯11に変形させたものです。そしてリディアン♭7スケールとは、さらにリディアンスケールの長7度をフラットさせる(半音下げる)ので短7度となり、基準となるスケールはEx.3のミクソリディアンスケールとなります。

Ex.4  C リディアン♭7スケール

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/lydb7.mp3?_=4

Ex.3とEx.4の2つのスケールを比べると4番目のファの音に♯が付いているか付いていないかの違いですね。

ギター演奏のコツ | スケールの具体的な雰囲気とは?

ここからは上記のような少しの違いで変化するスケールの雰囲気の違いを観察します。
♯11という音はスコア上でそのシンボルを目にするだけでも(視覚的にも)浮遊感を演出させるほど個人的にはこの♯11というものに対してクセがあり、そしてそれは時にギターでクールに響かせる事もできる特殊なサウンドと位置付けられています。
ビバップのような特にコードが目まぐるしく変わるフォームでコードごとにスケールを切り替えてといったアドリブはいかにナンセンスかがお分かりいただけるかと思います。
ギターの演奏におけるスケールはあくまで雰囲気演出の要素として、大きなコードの世界の上で世界感を作る時もしくはコード進行を無視した演出をする時などに使える“ツール”にすぎないであって、何かとまずは

 

「スケールをギター演奏の主役にもってくるべき!!」

 

だとか、、

 

「ギターの指板上でスケールを覚えるべき!!」

 

といった考えが巷の特にギター初心者用のアドリブ教本などに多いように感じますがギターソロの構築時に主体とするべきものは基本的に(Bebopなどのジャズのアドリブ演奏の場合は特に)最小単位なコード感演奏の軸、すなわちコードトーンとなります。(これはギターに限らず言えることですね)



まとめ

ギター演奏のコツ | スケールとは演出したい雰囲気を素早く引き出す為のツール
最後にトライアドとトライアドをミックスすることで生まれたペンタトニックスケール(5音のスケール)をご紹介します。
このペンタトニックは主にコンディミを想定する際にうまく機能するであろうスケールで更なる研究の余地の残された(私個人の中で)スケールです。
その名もドリアン♯11ペンタトニックスケールといいます。(スケールの名前などはどうでもいい物なのですが説明する際に必要となります。)

Ex.5  C ドリアン♯11ペンタトニック スケール

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/dori11_3.mp3?_=5

上記の譜面からもおわかりいただけるようにCマイナートライアドとF♯ディミニッシュトライアドをコンバインし、2つのトライアドの共通音であるC音を軸に展開すると派生するのがCドリアン♯11ペンタトニックスケールとなります。

このスケールに先ほどもお話しした雰囲気作りの観点から考え出したもう1つ別のバリエーションを付け加えてみました。(Ex.7)これらのスケールは「フォームからしてギターらしいスケールだなぁ〜」と個人的に感じます。笑

Ex.6  通常のドリアン♯11ペンタトニックスケール

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/dori11_1.mp3?_=6

Ex.7 別のバリエーションのドリアン♯11ペンタトニックスケール

https://yoshiakinagai.com/wp-content/uploads/2015/09/dori11_2.mp3?_=7

若干ですがスケールの雰囲気に違いを見出せることが出来ました。

バリエーション2のスケールでは変化前にあったG音をB♭音へと変化させスケール内のインターバル構成に若干の変化を与えています。これによりスケールの雰囲気演出の変化を図っています。
雰囲気重視でスケールというものを観察するとより一層スケールというものの使い方やギターソロ演奏で使用する位置付けが浮きか上がってくるかと思います。

 

今回も最後までありがとうございました^^

 

新たなスケールの世界観を発見するのにおすすめなのは下記で紹介しているような音階辞典です。
ニコラス・スロムにスキーの音階教本は若手ジャズギターリストのジュリアンレイジやジョンコルトレーンなども愛用していた音階教本です。(今回ご紹介しているのはギター用に改定された特別版です)

ギター奏者でもある山口雅也氏のジャズアプローチによる音階大辞典も同じような本です。この手の本は学習者自身の演奏アイデアの開拓が必要とされるため結構な上級者向けの教本といえるでしょう。


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