ジョンコルトレーンアドリブ研究1 コルトレーンチェンジ

ジョンコルトレーン,研究,分析
  • 公開日 2016/09/11
  • 最終更新日 2018/08/08

今回はJohn Coltrane氏のアドリブフレーズを研究していきます。
今回題材とするJohn Coltrane氏のアドリブソロは1959年に録音されたこちらの盤から採用しています。

1959年は時期的にちょうどコルトレーンチェンジ(後述)がJohn Coltrane氏のアドリブ演奏で頻出する時代です。
ギター用にTABで譜面を起こしたので指づかいなども是非参考にしてください。

それでは今回も最後までよろしくお願いします!

John Coltrane研究 | 今回のアドリブ研究参考譜面

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Original(♩=330)

Slow(♩=150)

ストーリーは別軸で展開される

今回のアドリブフレーズでは1つのコードの上をある一定の周期で移調させて演奏されています。
譜面の音源を聴いてみると、なんだかウネウネしたラインになっていますよね。

今回のJohn Coltrane氏のアドリブ演奏ではコルトレーンチェンジという演奏手法を採用しJohn Coltrane氏はアドリブフレーズを演奏しています。

コルトレーンチェンジ

John Coltrane氏により開拓されたあるコード進行の流れをコルトレーンチェンジ(コルトレーンマトリックスとも呼びます)と呼びます。

コルトレーンチェンジは長3度という音程がキーポイントになります。

今回取り上げているJohn Coltrane氏のアドリブソロの中で展開されているコルトレーンチェンジの進行を表記してみます。

John Coltrane研究 | コルトレーンチェンジを書き出した譜面

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理論の解釈

ここからはコルトレーンチェンジを簡単にご説明します。
この三角形は今回のアドリブフレーズでコルトレーンが想定したコードの軸です。

John Coltrane研究 | コルトレーンチェンジ

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さらに上記の3つのコードの軸に対してそれぞれドミナント7を配置します。すると…

John Coltrane研究 | コルトレーンチェンジにドミナントモーションを追記

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コルトレーンのアドリブラインにあったコード進行が完成します。

John Coltrane研究 | 譜面でのコルトレーンチェンジ

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このようにコルトレーンチェンジはドミナントモーションをしてコードを長3度ずつ移調させる進行が定番となっています。

コルトレーンチェンジ 簡単なまとめ
長3度の音程で下降するコード進行(流れ)のことをコルトレーンチェンジ(コルトレーンマトリックス)と呼び、
それらを繋ぎ合わせる際にはドミナントモーションを起こして連結させる
くらいの解釈で良いと思います。

コルトレーンマトリックスに関しては別の記事でさらに詳しく書いていこうと思います。

音型とスケール

次に今回のJohn Coltrane氏のソロを再び確認してみましょう。

先述したコルトレーンチェンジのコードを当てはめるとコード進行はこのようになりましたね。

John Coltrane研究 | コルトレーンチェンジを書き出した譜面

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サウンドも確認しておきましょう。
Original(♩=330)

Slow(♩=150)

このコード達に対してJohn Coltrane氏はブロック要素の音型ライナーな要素のスケール2タイプの演奏を方式を使って演奏しています。

今回のJohn Coltrane氏のアドリブフレーズではブロックライナーの2つの観点での分析が重要となります。

そこで、ブロック要素ライナー要素をそれぞれ色で分けてみました。

John Coltrane研究 | ブロックとライナーの図

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赤が音型によるブロック要素青がスケールのライナー要素となります。

音型によるブロック要素

ブロック要素を構築する基本はトライアドです。
トライアドに音を加えるようにしてブロック要素の音型を作ります。

John Coltrane研究 | ブロックとライナーの図

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1小節1,2拍目の音型はCマイナートライアドに11thを足したもの
3,4拍目の音型はA♭マイナートライアドに11thを足したものです。
マイナー音型では11thをよくプラスします。

1小節3,4拍目ではA♭m11と分析しましたがコードタイプはD♭と分析しています。
音の内容を確認してもD♭7のRootや♭7度音が確認できるので、ここではわかりやすくA♭m11の音型と解釈していきます。

3小節1,2拍目の音型はDメジャートライアドに9thをプラスしたもので、これはよく耳にする音型ですね。

4小節3,4拍目の音型はCマイナートライアドに9thをプラスしたものです。

スケールによるライナーな要素

先ほど解説した音型でのブロック要素が立体的な印象を残すのに対し、スケールによるライナーな要素は平面的な印象を感じさせます。

再度、譜面と一緒に確認していきましょう。

John Coltrane研究 | ブロックとライナーの図

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2小節1,2拍目ではG♭の3-1-2-33,4拍目ではA Bebop Dominant Scaleでのアプローチです。

(Bebop Dominant ScaleはミクソリディアンスケールのRootと♭7度の間にクロマチックが入ります)

3小節3,4拍目ではFメジャー系のスケール(ミクソリディアンなど)を1-2-3-4と上行し

4小節1,2拍目ではCマイナー系スケール(ドリアンなど)を1-2-♭3-4と上行しています。

今回の講座のまとめ

今回のJohn Coltrane氏の演奏からは、演奏する要素をキッチリとグルーピングするというジャズ演奏における重要なポイントを学ぶことができます。

この譜面では対象となるコードの軸がコルトレーンチェンジによって派生した幾つかのコードでしたが…
軸とするコードは代理コードであったりアッパーストラクチャートライアドであったりとベースとなるコードに対して何らかの因果関係を持つ要素であればどのようにも運用できます。

そのようにして割り出したブロック要素の音型で演奏する、またはライナー要素のスケールの断片を演奏する。

さらに、ここでピックアップする音数が4音ということにも注目しましょう。

トライアド + 1音で4音。
スケールは不完全なものでOKです。

マイナースケールの冒頭4音をピックアップした場合は1-2-♭3-4となり、これはドリアンとも言えますしマイナースケールともいえます。

この不完全な感じが逆に演奏の自由度を上げてくれます。
ジャズの演奏をするのにガチガチの音楽理論は必要ありません。

今回も最後までありがとうございました!!

コルトレーンチェンジの研究におすすめの本