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ジョンコルトレーンジャズアドリブ研究 コルトレーンチェンジ2

ジョンコルトレーン,研究,分析
  • 公開日 2016/09/14
  • 最終更新日 2018/08/08

今回はジョンコルトレーン氏のコルトレーンチェンジを施したアドリブフレーズを研究していきます。
是非、前回のジョンコルトレーン氏のアドリブフレーズ研究の記事と併せてご覧ください。

ジョンコルトレーン コルトレーンチェンジ 研究1

今回も前回のレッスン同様こちらの音源でのジョンコルトレーン氏によるアドリブフレーズを研究していきます。

今回の参考譜面

ORIGINAL(♩= 330)


SLOW(♩= 150)

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | 今回の参考譜面

ジョンコルトレーン,研究,分析,コルトレーンチェンジ

ストーリーは別軸で展開される

今回はD7の上でのコルトレーンチェンジによるアドリブフレーズです。
1つのコード上でジョンコルトレーン氏は様々なコードを想定しアドリブフレーズを演奏しています。

まずは、コルトレーンチェンジのサイクルを確認してみましょう。

コルトレーンチェンジ

今回のコルトレーン氏によるアドリブフレーズにコードを割り当てると、下記の譜面のようになります。

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | コルトレーンチェンジ

ジョンコルトレーン,研究,分析,コルトレーンチェンジ

このコード進行はまたしてもコルトレーンチェンジとなっていて、一つのコードの上でくるくると長3度音程でコードが転回されていきます。

コルトレーンチェンジのコードサウンド(PIANO)

サイクルの確認

今回のコルトレーンチェンジのサイクルをにするとこのような感じになります。

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | コルトレーンチェンジのサイクル

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さらにここにあるそれぞれのコードにⅤ7を配置し、ドミナントモーションをさせると下記のようになります。

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | コルトレーンチェンジのサイクル

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先ほどジョンコルトレーン氏のフレージングから汲み取ったコード進行になっていますね^^

もう一度サウンドも確認しておきましょう。
コルトレーンチェンジのコードサウンド(PIANO)

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | コルトレーンチェンジ

ジョンコルトレーン,研究,分析,コルトレーンチェンジ

ここでのコルトレーンチェンジのご説明は前回ジョンコルトレーン氏のアドリブフレーズを研究した際に解説しましたので今回は割愛します。






演奏の分析

今回もジョンコルトレーン氏によるアドリブフレーズを4つの音の塊とみなし、それぞれをブロック要素ライナー要素に分けていきます。

ブロック要素ライナー要素に関してもコルトレーンチェンジの解説同様、前回のジョンコルトレーン氏のアドリブフレーズ研究記事にてご確認ください。

ブロック要素とライナー要素をそれぞれ色分けをしてみました。
今回も赤がブロック要素青がライナーな要素となっています。

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | 要素の振り分け

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ORIGINAL(♩= 330)

スケールライクなライナー要素

まずはライナーな要素に注目してみましょう。青く囲ってある箇所の音要素を確認していきます。

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | ライナー要素の確認

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SLOW(♩= 150)


1小節目1,2拍ではAmの♭3度からスケールワイズな上行をしていきます。
ここではAmの代理となるCメジャーでのフレージングと考えると良いですね^^

1小節目3,4拍ではB♭のビバップドミナントスケールのような感覚のフレーズです。
B♭から見た長7度の音がクロマチックな要素と共に演奏されています。

次なるライナー要素はアドリブソロ3小節目の3,4拍にて、
D7のRoot音(D音)から1-2-3-1スケールライクな演奏でサウンドをつなげています。

最後は4小節目1,2拍のフレージングです。
ここでのコード表記はGとなっていますが、フレージングはAmを想定しているように感じます。

Amの5度音であるE音をペダルするようにトップの音を上行させています。

コーダルなブロック要素

続いてはブロック要素についてフレーズを確認していきましょう。赤く囲ってある箇所に注目してください。

ジョンコルトレーン アドリブフレーズ 研究 | ブロック要素の確認

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SLOW(♩= 150)


2小節目の1,2拍ではE♭M7のコードトーンを演奏しています。

ここでのフレージングのポイントはコードトーンの開始音に長7度の音を配置している点。
この様なメジャー7の演出はビバップな演奏の基本の基本です^^

2小節目3,4拍ではメジャートライアド + 9thの音型を少し変化させたものです。

メジャートライアド + 9thの音型は前回のコルトレーン氏のアドリブフレーズ研究講座でも出てきましたが、ここではトライアドのRootの音を♭7度音へと変化させて演奏しています。
(ここでのトライアドとはF♯メジャートライアドを指していて、♭7度はE♭の音を指します)

3小節1,2拍ではBトライアド + 9thと演奏しています。これは先ほど解説したトライアド + 9thによる4音音型化の演奏法です。

4小節3,4拍ではDメジャートライアド + 9thの音型を5度から下降するように演奏しています。






今回のレッスンブログのまとめ

徹底的にコーダルな演奏
ジョンコルトレーン氏によって開拓されたコルトレーンチェンジはとことんコーダルな演奏法です。
コルトレーンチェンジのコードに沿って演奏することによって効力を発揮します。

今回のコルトレーン氏のアドリブフレーズにあるようにコードに沿った演奏をしていくのが基本ですが、そこに解決感の演出などはなくサウンドを近いように近いようにつなげていく演奏の意識が大切になります。実際、ジョンコルトレーン氏もそのように演奏していますね^^

コルトレーンチェンジは徹底的にコーダル!コードのサウンドを追って追って追っていきます!!

今回も最後まであがとうございました!